Episodios

  • #155 溌剌としたデュカス『交響曲ハ長調』第3楽章
    Jul 19 2024

    2回続けてお届けしてきたポール・デュカスの『交響曲ハ長調』の最終楽章です。


    この楽章は4分の3拍子と8分の9拍子の混合拍子で書かれているため、とても躍動する感じが伝わってきます。細かい動きの音符が多かった他の楽章に比べ、ここでは楽譜が端正な姿となり、音楽の推進力が感じられます。この手法は今までのフランス人作曲家とは少し異なっています。


    またシンフォニーとしては珍しいピッコロ・トランペットが使われていて、鋭い響きを奏でています。デュカスにとっては、これが鳥の激しい鳴き声の表現だったのかもしれません。


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    【出演】中田昌樹(指揮者)

    【演奏】ポール・デュカス作曲『交響曲ハ長調』第3楽章

        ジャン=リュック・タンゴー/指揮、アイルランド国立交響楽団/演奏

        イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

    【提供】笹川日仏財団

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    12 m
  • #154 今までにない手法で書かれたデュカス『交響曲ハ長調』第2楽章
    Jul 12 2024

    今週も続けてポール・デュカスの『交響曲ハ長調』を聴きます。


    フランクやダンディの交響曲が循環形式で書かれているのに対し、デュカスのこの交響曲はそれぞれの楽章が独立していて別の音楽として成立しています。


    第1楽章は爽快なサウンドでしたが、音を抑えに抑えた静かな冒頭で始まるこの第2楽章は、音の細かい扱い方が特徴的で、今までにない手法で書かれています。


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    【出演】中田昌樹(指揮者)

    【演奏】ポール・デュカス作曲『交響曲ハ長調』第2楽章

        ジャン=リュック・タンゴー/指揮、アイルランド国立交響楽団/演奏

        イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

    【提供】笹川日仏財団

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    19 m
  • #153 いろいろな作曲家の断片が味わえるデュカス『交響曲ハ長調』第1楽章
    Jul 5 2024

    今日まで残されているのは20曲ほどしかない寡作の作曲家、ポール・デュカスの『交響曲ハ長調』を聴きます。


    始まりは快活だけれども暗い和音があり、ダンディをはじめいろいろな作曲家の作品の断片が次第にちらちらと聴こえてくるような曲です。


    当時パリのサロンでは「◯◯(作曲家の名前)風に」と、その作曲家の作風を意識して演奏することが知的遊びとして流行っていたようで、その影響かもしれません。


    番組後半では、中田先生がフランスに興味を持ち、フルートを始めたきっかけとなった加藤恕彦さんについての思い出が語られます。


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    【出演】中田昌樹(指揮者)

    【演奏】ポール・デュカス作曲『交響曲ハ長調』第1楽章

        ジャン=リュック・タンゴー/指揮、アイルランド国立交響楽団/演奏

        イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

    【提供】笹川日仏財団

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    28 m
  • #152 洒落た台本、闊達な音楽、そして最後に優しさを感じるラヴェル『子どもと魔法』
    Jun 28 2024

    モーリス・ラヴェルのオペラ『子供と魔法』の最終回です。


    やんちゃをした男の子にモノの逆襲は続きます。算数の教科書から不思議な老人が現れ、闊達な音楽にのって、蛇口から出る水や電車の発車時間を言い立てたり、呪いの言葉のように4 x 4 = 18など間違った計算して男の子を困らせます。


    動物たちも彼に襲いかかります。やがて男の子のそばに怪我をした小さなリスが転がり落ちてきます。すかさずキズの手当てをした男の子。それを見ていた動物たちは「ママ!」と叫んでお母さんを呼び、「彼はいい子だよ、賢いよ、とても優しい...」と歌いながら、オペラは穏やかに終わります。そこにラヴェルの優しさが感じられます。


    番組後半では、ラヴェルの唯一の高弟で、ラヴェルの評伝を書いた指揮者のマニュエル・ロゼンタールと彼に師事したジェローム・カルテンバックとの交流も語られます。


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    【出演】中田昌樹(指揮者)

    【演奏】モーリス・ラヴェル作曲歌劇『子供と魔法』より

        "Deux robinets coulent dans un reservoir!"/ 二つの蛇口からひとつのタライに水が流れ込む! (小さなおじいさん、子供、数字たち)

        "Il est bon, l'enfant, il est sage"/ いい子だよ、この子は(動物たち、子供)

        レナード・スラットキン/指揮、エレーヌ・エブラー/ソプラノ、デルフィーヌ・ガルー/コントラルト、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏

        イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

    【提供】笹川日仏財団

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    20 m
  • #151 やんちゃ坊主の幻はまだ続く、ラヴェル『子供と魔法』
    Jun 21 2024

    モーリス・ラヴェルのオペラ『子供と魔法』の3回目です。


    やんちゃをした男の子の幻はまだ続きます。夜が訪れ、暖炉に近づくと、暖炉の火が男の子を脅し文句を放ったかと思うと火は消え、男の子は一人真っ暗闇の中に残されてしまいます。


    かと思うと、今度は男の子と遊びにオス猫が登場。でもすぐに庭に出てメス猫とデュエットを奏でます。


    番組後半では、オランダ人指揮者のユベール・スダーンや『仔象のババール』にまつわるエピソードも披露されます。


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    【出演】中田昌樹(指揮者)

    【演奏】モーリス・ラヴェル作曲歌劇『子供と魔法』より

        "Arriere ! Je rechauffe les bons"/ おさがり、私は良い子はあたためる(火、子供)

        "Duo miaule"/ ネコの二重唱(黒猫、白猫)

        レナード・スラットキン/指揮、エレーヌ・エブラー/ソプラノ、デルフィーヌ・ガルー/コントラルト、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏

        イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

    【提供】笹川日仏財団

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    14 m
  • #150 仕返しされるやんちゃ坊主!ラヴェル『子供と魔法』
    Jun 14 2024

    今週もモーリス・ラヴェルのオペラ『子供と魔法』をお届けします。


    お母さんに叱られ家の中であばれて悪さをした男の子が、今度は逆に家具や調度品などから仕返しをされます。


    踊りながら出てくる中国製のティーポットや英国製のティーカップは、東洋っぽい意味不明の言葉をいくつか発します。その中の「セッシュウハヤカワ」は早川雪洲のことで、当時欧米で大成功を収めた日本の俳優です。


    言葉の羅列で音の面白さが堪能できる場面ですが、とても高い音域のトロンボーンは、後の『ボレロ』にも活かされたのではないかと思われます。


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    【出演】中田昌樹(指揮者)

    【演奏】モーリス・ラヴェル作曲歌劇『子供と魔法』より

        "Ding, ding, ding, ding"/ ディン ディン ディン ディン(時計、子供)

        "How's your mug?"/ マグはいかが?(ティーポット、中国製のカップ)

        "Keng-ça-fou, mah-jong" / ケン-サ-フォウ マー-ジョン(中国製のカップ、ティーポット)

        レナード・スラットキン/指揮、エレーヌ・エブラー/ソプラノ、デルフィーヌ・ガルー/コントラルト、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏

        イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

    【提供】笹川日仏財団

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    14 m
  • #149 やんちゃ坊主が主役!ラヴェル『子供と魔法』
    Jun 7 2024

    当時売れっ子作家だったコレットの台本にモーリス・ラヴェルが曲をつけたオペラ『子供と魔法』をお届けします。


    舞台はノルマンディ地方の何もかもが古びた家の中。6歳ぐらいの男の子が宿題をやりなさいとお母さんに叱られ、逆に捻くれて家の中のものを壊したり、猫のしっぽをつかんだりして悪さをし放題。そんな情景から始まります。


    毎小節のように頻繁に変化する拍子と、五度/四度音程のオーボエと、コントラバスのとても高いポジションでのハーモニックス奏法で始まる冒頭は、所在のない中にも不思議な風が通り抜けるような感覚が味わえるかもしれません。


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    【出演】中田昌樹(指揮者)

    【演奏】モーリス・ラヴェル作曲歌劇『子供と魔法』より

        "J'ai pas envie de faire ma page!" / ぼく 勉強したくないよ(子供)

        "Bébé a été sage?" / 坊や おりこうにしてた?(ママ)

        "Ça m'est égal!" / 気にするもんか(子供)

        レナード・スラットキン/指揮、エレーヌ・エブラー/ソプラノ、デルフィーヌ・ガルー/コントラルト、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏

        イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

    【提供】笹川日仏財団

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    20 m
  • #148 御伽話と空想の世界を描いたラヴェル『マ・メール・ロワ』
    May 31 2024

    前回に続いてモーリス・ラヴェル作曲『マ・メール・ロワ』をお届けします。


    『ラ・ヴァルス』や『高雅で感傷的なワルツ』と同様、拍子がはっきりとはわからないように、楽器や和声、音程の使い方を工夫しながら、拍子の輪郭を歪めたり、角を丸くしたりするような書法で作曲されています。そのため、空気がふわっと動くような浮遊感を感じられる印象の曲となっています。


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    【出演】中田昌樹(指揮者)

    【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『マ・メール・ロワ』

        第2曲 親指小僧

        第5曲 妖精の園

        指揮/ケネス・ジーン 演奏/スロヴァキア放送交響楽団

        イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

    【提供】笹川日仏財団

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    19 m