• 暗黒物質について

  • Apr 26 2024
  • Duración: 6 m
  • Podcast

  • Resumen

  • ソラジオトークfrom OKAYAMAへようこそ 岡山理科大学 長尾です。 今回のテーマは、「暗黒物質」でしたね。 放送分で解説したように、 宇宙のなかで、私達の身の回りにある物質と同じ種類のものは実は少数派。 宇宙にはその約5倍、暗黒物質と呼ばれる目に見えない正体不明の物質が存在していることがわかっています。 暗黒物質の存在は、1930年代に銀河団の運動から提唱され、その後も多くの観測から確かめられてきました。 では、暗黒物質は、「何物なのか」というと、残念ながらわかっていません。 私達の体は小さく分解していくと細胞、分子、原子…と分解できていきますが、 暗黒物質は原子とはまったく違った性質をもっています。 そのため、その正体は未発見の素粒子ではないかと考えられています。 宇宙の歴史の中で、暗黒物質は非常に重要な存在です。 宇宙誕生直後のわずかな揺らぎが宇宙全体の暗黒物質の濃淡を作り、それが重力によって周りのガスを集めながら大きく成長していきました。 宇宙ができて10億年ほど経った頃、それが銀河団や銀河など今の宇宙にある基本的な構造になっていったと考えられています。 暗黒物質がなければ銀河団も銀河も私たちも生まれていなかったのです。 そのため、暗黒物質は私達のお母さんと言われることもあります。 さて、暗黒物質は未発見の素粒子でできていると考えられていますが、 そもそも素粒子とは、なんでしょうか? 私達の体や身のまわりのものは、分解していくと分子、原子、原子核…と小さい単位に分けられます。 分解していって最後に出てくる、これ以上分解できない粒子のことを素粒子と呼びます。 ちなみに、人間の身体や身のまわりのものは、 分解してくとクォークと呼ばれる素粒子に辿り着きます。 宇宙にある物質はすべて、細かく分解していくと素粒子に辿り着くので、 素粒子が何種類存在するのか、どのような力が働くのか、 どのような性質をもっているのかを調べることは、実は宇宙を研究するうえでとても重要です。 みなさんに身近な素粒子といえば、さきほどお話した身の回りの物質のもととなっているクォーク、それから、星や太陽から届く光も、実は光子と呼ばれる素粒子です。 また、電気の正体である電子も、もっとも身近な素粒子です。 素粒子の1つ、ニュートリノは、これまでに2つのノーベル物理学賞を日本にもたらして話題になったので、聞いたことのある人も多いかもしれません。 実は、日本出身で、素粒子に関する研究でノーベル物理学賞をとった人はこれまでに7人と非常に多く、日本の得意とする分野の1つなのです。 暗黒物質が宇宙に存在することはさまざまな観測結果から確かなのですが、 やっぱり実際に捕まえて、直接その性質を調べてみたいですよね。 これまでに3つの方法で、暗黒物質粒子を捕まえようという試みが行われてきました。 1つ目は、宇宙から地球にやってくる暗黒物質が実験室の検出器に当たって出すわずかな信号を捉えるというもの。 暗黒物質は極めてすり抜けやすいのですが、ごくまれに原子などに当たり、そのときの反応を利用して暗黒物質を見つけることができるのではと期待されています。 これが一番直接的に暗黒物質を見つける方法で、検出のための様々な技術が研究開発されています。 2つ目は、宇宙にある暗黒物質粒子が崩壊したりぶつかったりするときに出る特徴的な宇宙線を、天文観測衛星で探す方法です。 このときに出る宇宙線のエネルギーは、暗黒物質粒子の重さによって決まるので、暗黒物質を見つけるだけでなく重さについてもヒントが得られるでしょう。 3つ目は、粒子加速器を使って暗黒物質粒子を作る方法です。 粒子加速器とは、粒子を加速してぶつけることで新しい素粒子を作り出すことができる装置です。世界最大のものは直径8.6kmの円形、だいたい岡山県でいうと岡山駅から中庄駅を直径とする円くらいの巨大な装置です。 ちなみに、日本で初めて粒子加速器を作ったのは岡山県出身の仁科芳雄博士で、 その後の物理学に与えた影響の大きさから...
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