• 住宅市場の見通し:価格上昇は緩やかに

  • Jul 1 2024
  • Duración: 6 m
  • Podcast

住宅市場の見通し:価格上昇は緩やかに

  • Resumen

  • 住宅価格も家賃も上昇する中、住宅市場とインフレの関係、その結果として生じる金融政策について、モルガン・スタンレーのグローバル・チーフ・エコノミストが解説します。このエピソードを英語で聴く方はこちら。-----トランスクリプト-----「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。今回はグローバル・チーフ・エコノミストのSeth Carpenter(セス・カーペンター)が、住宅市場、インフレ、成長、金融政策についてお話しします。 このエピソードは2024年7月1日月曜日にニューヨークで収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。成長やインフレ、その両方を合わせた金融政策まで、マクロ経済を巡る多くの議論の中心になっているのが住宅です。高金利にもかかわらず住宅価格の上昇は続いています。これを受けて一部の人にはこれが物価の下落が進んでいない印象を与え、時に消費者は非常に難しい選択を迫られます。また一部の国や地域では、住宅市場が金利上昇に反応していないようにも見えます。こうした要因は全て、金融政策の有効性に疑問を投げかけるものです。では現在地はどこなのでしょうか。金融政策は通常、住宅市場に影響を及ぼしますが、我々はその効果がまだ波及しつつある段階なのだと考えています。ただ、供給不足のほか、一部地域では建設用地や建設許可といった特殊要因が住宅価格を支えているのです。また現在のビジネスサイクルでは複数の業界で見られる通り、過去のサイクルとは異なる要因が存在します。米国では住宅を巡る議論のカギを握るのが住宅ローン固定金利です。弊社のストラテジーチームによると、現在の新規住宅ローン金利と平均実質ローン金利の間には、記録的な開きがあります。そして住宅ローン全体に占める30年固定金利の割合は10年ぶりの高水準になっています。その結果、中古住宅の在庫が少なくなっています。既に極めて低い金利のローンを組んでいる人々は、必要に迫られない限り住宅を買い替えようとしないからです。住宅市場は供給が減り、厚みがなくなってきています。経済全体般への影響を考えるならば、住宅ローン金利の固定で労働力の移動が減り、労働市場に摩擦が生じるリスクもあります。FRB(米連邦準備制度理事会)が我々の予想通り緩やかな緩和サイクルに入るのであれば、住宅ローン金利も下がるでしょう。ただ、金利の低下もやはり緩やかなものとなり、住宅ローンの金利差は狭まったとしても完全にはなくならないでしょう。住宅の供給は多少上向いたとしても、大幅には増加しないかもしれません。住宅ローン金利の低下は需要の高まりにもつながるため、需要と供給の両方の変化を差し引きして何が残るか、という視点で考える必要があります。我々は最終的に、住宅価格の上昇ペースは緩やかになるものの、はっきりと下落に転じることはないと考えています。多くの家庭にとって、住宅に関する最初の選択は「買うか借りるか」です。住宅価格も住宅ローン金利も高ければ、購入はしづらくなり、賃貸を選ぶ人が増えて家賃が上昇する可能性があります。過去数年の家賃急上昇の背景にある理由の一つがこの現象です。より長期的には、住宅価格と家賃の間で裁定取引のような状況が生まれるはずです。住宅価格の上昇は、初めてマイホームを購入する層の購買力には影響を及ぼしかねないものの、既に家を持っている消費者の信頼感を改善させ、消費を押し上げる効果も予想されます。では、先ほどお話しした住宅ローン固定金利はどうかといえば、固定金利はある程度、消費の増加を促す可能性があります。キャッシュフローの見通しが立ちやすくなり、月々の支払いがかなり低く抑えられるからです。以上の話をまとめると、住宅市場が物語っていると考えられるのは、金融政策は現時点で従来ほどの効果は発揮していないものの、機能していないわけではない、ということです。住宅価格の上昇は緩...
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