• 183 中勘助 銀の匙 111(後編6②) @ LeoN Radio 我らの文学

  • May 24 2024
  • Length: 21 mins
  • Podcast

183 中勘助 銀の匙 111(後編6②) @ LeoN Radio 我らの文学  By  cover art

183 中勘助 銀の匙 111(後編6②) @ LeoN Radio 我らの文学

  • Summary

  • ラジオ収録20240519

    「レオンラジオ日の出」テーマ曲 作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、ED 「遺伝子の舟」司会 楠元純一郎 中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国大慶の小学校美術教諭)朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)読解者 福留邦浩(国際関係学博士)中国語訳監修 李可心 孫軼凡


    女中が戸をしめにきたのでしかたなしに部屋へはひつて泣き顔をかくしかくし「小国民」をだして読みはじめた。口絵には額を射られた鬼童丸がかた手で牛の皮をもちあげ、かた手に刀をひきつけて頼光をねらつてるところがかいてあつた。

    <女中(じょちゅう)→家事手伝いをする女性、旅館や料理屋などで給仕や雑用担当の女性。口絵(くちえ)→書の巻頭に差し込まれるイラスト。額(ひたい)→おでこ。鬼童丸(きどうまる)→鎌倉時代の説話集に出てくる鬼。源頼光(みなもとらいこう)→平安時代中期の武将で化け物妖怪退治で有名らしい。>

    女佣过来关窗,我只好回到房间。为了不被别人发现自己哭了,索性拿出《小国民》来读。开头部分的插画上,被射中额头的鬼童丸正一手举起牛皮,另一只手抽刀瞄准源赖光。


    一枚一枚めくつてゆくうちに 少年太鼓手 といふ表題が目についてそこを読みはじめた。挿絵をみると主人公の太鼓手は撥ばちをあげて胸にかけた太鼓をうちながら後れる味方をしりめにかけて進んでゆく。読んでるうちに頭が大きくて、ぐづで、平生人からばかにされてばかりゐる太鼓手はいつか自分になつてしまひ、涙がぽとぽと本のうへに落ちてたうとう最後の一喝をくつた。

    <めくる→紙などを剥がすように裏返し、頁を進めていく。太鼓手(たいこしゅ)→太鼓を叩く人。目について→目にとまる。挿絵(さしえ)→新聞や雑誌の文章と関連のある絵、イラスト。撥(ばち)→太鼓を打ち鳴らす棒。後(おく)れる→遅後方を歩く。尻目(しりめ)に→ちらっと見るだけで構わず事を行うこと。ぐづ→ハキハキせず、動作や決断が鈍いこと。平生(へいぜい)→いつも、普段。一喝(いっかつ)をくう→強く、こっぴどく叱られる。>

    我一页页翻过,看到一篇标题是《少年太鼓手》的故事,决定从这里开始读。看插画的内容,主人公太鼓手只顾举起鼓棒敲击挂在胸前的太鼓,把伙伴们都甩在身后,不管不顾地往前走。读着读着,我觉得自己仿佛就是那个脑袋很大,性格蠢笨,一直被旁人看作笨蛋的太鼓手,眼泪滴滴答答地掉在书页上,就这样挨了今天的最后一顿骂。


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