• 187 中勘助 銀の匙 115(後編7②) @ LeoN Radio 我らの文学

  • Jul 18 2024
  • Length: 28 mins
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187 中勘助 銀の匙 115(後編7②) @ LeoN Radio 我らの文学  By  cover art

187 中勘助 銀の匙 115(後編7②) @ LeoN Radio 我らの文学

  • Summary

  • ラジオ収録202400717

    「レオンラジオ日の出」テーマ曲 作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、ED 「遺伝子の舟」司会 楠元純一郎 中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国大慶の小学校美術教諭)朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)読解者 福留邦浩(国際関係学博士)

    四五町いつて橋をひとつ渡ればそこはもう川ぞひの原で、紅白に染めわけた水引の枠が楯のやうにならべてほしてある。間もなく水車場がある。長い樋のなかを水が押しあひへしあひ気ちがひみたいにくるのをみると生きたもののやうに思はれて身の毛がよだつ。

    <一町(いっちょう)→一反(いったん)の10倍。およそ100アール(1ヘクタール)。水引(みずひき)→祝儀・不祝儀に用いられる飾りで、紅白や白黒の紐の帯紐。樋(ひ・とい・かけい)→水を通す管。身の毛がよだつ→身体の毛が逆立ち、恐怖を覚える様、ぞっとする。>

    我们走了四五百米,跨过一座桥,便到了对面的河滩。有人在河滩上晾晒红白两色的水引框子,像盾牌一样摆成一排。不远处有一架水车,水在长长的导水木片中推推挤挤,像疯掉一般汹涌而下。看到这情景,我觉得水车好像是个活物,感到毛骨悚然。


    大きな水車がしぶきの息をふき、雫の汗をたらしてぐわらぐわらぐわらと恐しくまはつてゐる。糠埃のこもつた舂つき場ばには無数の杵がこつとんこつとんと鈍どんな音をたてて一本足の踊るやうに米をつく。

    <糠埃(ぬかぼこり)。舂場(つきば)→米つき場、精米所)。杵(きね)→石臼に入れた穀類をつく道具。>

    巨大的水车喷吐着水花,淌着汗一样的水滴“嘎啦嘎啦”地转着,非常可怕。舂米场上遍地是米糠的粉末,无数根碾杵发出“嗵嗵”的钝重声响,碾米时像独脚的妖怪在跳舞。


    そこへゆくと私はどういふわけか舌の根に苦味をおぼえて圧しつけられるやうな気もちになるのであつた。

    <どういうわけか→なぜか。>

    每次到那里去,我都莫名觉得舌根有种苦涩,整个人再度陷入被逼无奈的情绪中。

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